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病院トイレのスタンダード今後どうなる?

開催日:2023年11月7日・11月9日

今後の病院水まわりのスタンダードはどうなるのか。 病院や福祉施設における“癒しのトイレ”とは。
特別講演では、高野先生と中山先生をお迎えし、“医療”と“建築” の専門的見地から、これまでとこれからの病院水まわりのあり方について解説いただきます。
研究会講演では、トイレに関わるさまざまな切り口から、今後の病院・福祉施設づくりに求められる対策についてご提案します。

セミナー開催概要

日時 2023年11月7日(火)・11月9日(木)

AM 10:00〜11:30  PM 14:00~15:30
会場 オンライン開催(Zoom上でウェビナー)
費用 無料(事前申込制)
定員 200名/回(先着順)
プログラム

第Ⅰ部

【特別講演❶】感染対策をふまえた病院の水まわりは施設のポリシー(慶応義塾大学病院 高野 八百子 先生)

【特別講演❷】トイレ配慮の課題と設計(千葉大学 名誉教授 中山 茂樹 先生)

 

第Ⅱ部

【研究会講演】病院・福祉の「癒しのトイレづくり」(癒しのトイレ研究会)

 

閉会後

病院・福祉施設向け 最新技術・商品紹介

 

※内容やプログラム順序は一部変更となる可能性もございます。あらかじめご了承ください。

注意事項

お申込みについて

□主催者(癒しのトイレ研究会参加企業5社)の同業他社様からのお申込みは固くお断りいたします。

□環境上やむを得ずPC1台を複数名で視聴される場合を除き、基本的にお一人ずつのお申込みをお願いします。

□定員に達した場合は締め切らせていただきます。あらかじめご了承ください。

 

お客様情報の取扱について

□申込時にご記入いただいた情報は、癒しのトイレ研究会および参加企業内で共有させていただきます。セミナーに関するご連絡や研究会からのご案内等をさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

□お客様の個人情報は、癒しのトイレ研究会で厳重に管理いたします。個人情報のお取扱いに関する詳細は、プライバシーポリシーをご覧ください。

 

CPD登録について

□CPD申請は、開会から閉会までの全てのプログラムのご視聴と終了後のアンケート記入が必要です。

□複数人でのお申込みの場合はCPD単位登録ができません。必ず参加者毎にお申込みください。

 

ご参加者の皆さまへのお願い

□参加用URLの他社との共有・公開はご遠慮ください。

□セミナーの録画・録音等は禁止とさせていただきます。

□当日開催前までにZoomアプリのダウンロード・インストールをお願いいたします。(Zoomアプリダウンロードはこちら

□講演資料データは、終了後のアンケートでご希望された方に後日お送りします。

お申込みはこちら

ご希望のセミナー参加日時をお選びください。

※各会内容は同じです。

特別講演❶ 感染対策をふまえた病院の水まわりは施設のポリシー

水まわりは生活をするうえで必要不可欠なものです。 病院や福祉施設の水まわりは、利用者が活用できなければ意味がありませんが、ただ美しく快適であれば良いというわけではありません。患者・入所者、職員が利用するうえで、他の施設と異なる点は微生物の温床となり、感染拡大の原因になりかねないということを念頭におき、目的と動線を考えて設置し、設備を選択し、清潔を維持するための管理をしなければならない点が重要になります。
上下水道の配管の関係から、新築の場合は設計の早期段階で、改修工事の場合は構造と予算をふまえた妥協点を見出すために検討する必要があります。検討する場合の視点にしていただけるよう、トイレ手洗いシンク、洗浄用シンクなど目的ごとに感染対策をふまえた利用者の視点でお話しさせていただきます。

◀︎慶應義塾大学病院の手洗いシンク:医療従事者が手指衛生をするために、 2つの多床室の間に1つの手洗い器を廊下に設置した。

慶應義塾大学病院 感染制御部 課長
高野 八百子 先生

1983年 慶應義塾大学医学部付属厚生女子学院卒業
慶應義塾大学病院勤務
1993年4月 慶應義塾大学病院勤務 小児科病棟
1997年4月 慶應義塾大学病院 感染対策室 専従
2017年4月 慶應義塾大学病院 感染制御部 課長
  • 厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性菌(AMR)に関する小委員会委員(2016年~)
  • 日本私立医科大学協会 私立医科大学病院感染対策協議会 運営委員
  • 日本環境感染学会 理事
  • JHAIS委員会委員 NICU感染対策検討委員会委員 など

特別講演❷ トイレ配置の課題と設計

「這ってでもトイレに行きたい。」「尊厳をくじかれるベッド上での排泄なんて絶対に嫌だ。」は、患者のささやかな、しかし切実な希望である。今の病院のトイレは、この患者の願いをかなえているだろうか。
東海道中膝栗毛では、全くの知らぬ者どうしが一つ部屋に宿泊したようだが、今では学生宿でもそんなことはしない。でも日本の病院では全個室病室は珍しく、普通は4人くらい集まって入院する。トイレが部屋に附設されていればその4人で、そうでなければ共用のトイレまで歩いて行って用を足すことになっている。しかし、新型コロナは病室外を出歩いて院内感染が広まった。あるいは高齢患者の排泄にまつわる転倒事故、男女兼用の問題など、多くの課題がある。
講演では、こうした問題に対する建築的・歴史的アプローチを中心に、手洗い・洗面の配置 にも触れ、トイレ配置のスタンダードを検討し、さらに水回り環境の要求水準を考えてみたい。

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千葉大学 名誉教授
中山 茂樹 先生

1980年 千葉大学大学院工学研究科修了
1980年 千葉大学助手工学部
1990年 工学博士(東北大学)
1994年 千葉大学助教授工学部
2000-01年 ルーバン大学(ベルギー)訪問研究員(文部省在外研究員)
2006年 千葉大学教授大学院工学研究科
2020年 千葉大学定年退職・同大学名誉教授
  • 日本建築学会(医療施設小委員会元主査)
  • 日本医療福祉建築協会(前会長)
  • 日本医療病院管理学会(評議員、研究委員会委員)
  • 日本医療福祉設備協会(副会長、理事)
  • 日本医業経営コンサルタント協会(元理事、国際委員会委員、認定審査会副会長)
  • 日本精神科救急学会(評議員)ほか

研究会講演❶ 医療福祉施設における「省エネ」「省管理」手法の最新動向(ダイキン工業)

昨今のエネルギーコストの上昇に伴い、医療福祉施設においても使用エネルギーの削減は施設管理者の喫緊の課題となっています。一方で、省エネの必要性については認識しているものの、専任の管理者がおらず「何から手をつけたら良いか分からない」といったお声もよく聞かれます。
今回は施設管理者様向けに「手間いらず」で「確実に」できる省エネ対策について、実際の事例を交えてご紹介します。

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研究会講演❷ トイレの臭気対策 床面管理の改善事例より (シーバイエス)

病院や福祉施設のトイレにおいて臭気対策は課題となっ ていました。有効な対策は臭気の発生源を除去することですが、発生源の場所は便器に限らずその周囲に及ぶ場合があります。本セミナーでは病院におけるトイレ床面管理の変更から、臭気改善に繋がった事例をご紹介します。

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研究会講演❸ 清潔感と快適性を実現するトイレ壁面改修 (アイカ工業)

長年使用をしてきたトイレはニオイが気になり、冷たく・ 薄暗いイメージ。施設の利用者・職員にとって魅力的な 空間を実現するため、 短工期で周囲への環境負荷が少 ない壁面改修方法と、気になるニオイ対策に、消臭性能のある壁面材をご紹介いたします。

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研究会講演❹ 色で「迷わない」デザイン事例の紹介 (田島ルーフィング)

病院にて利用者様は、今自分がいる場所や行きたい診察 室の場所だけでなく、どこが段差になっているのか前後感にも迷い、不安を感じています。デザインでもってこの不安を解消するウェイファインディングデザインの事例をご紹介します。

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研究会講演❺ 患者とスタッフが安心して利用できる病棟トイレ改修(TOTO)

築26年が経過したトイレは老朽化が進み、患者の利用のしにくさや清掃のしにくさなどの課題を抱えていた。点滴台や車いすでも利用しやすい集中型トイレと、身体状況に応じてスタッフが見守りやすい病室内のトイレを実現した、病棟トイレの改修事例をご紹介します。

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Q&A❶ 理想的な汚物処理室の面積等あれば教えてください。
狭小の汚物処理室もあり、いつも計画で悩んでいます。

慶応義塾大学病院 高野先生より

入院している人のほぼ全員がオムツ着用でもないかぎり、尿器・便器は必ず必要です。尿器・便器、吸引瓶もディスポ製品が出てきました。これら汚物に汚染するようなものを取り扱うだけであれば、それほどの大きさは必要ないかもしれません。
当院では医療機器、リネン、廃棄物などすべてのものを回収する場所として設置しました。尿器・便器、リネンなどは病床数で決まってくるので施設による違いはないと思いますが、使用する医療機器は施設の特徴がでてくるかもしれません。特に医療機器は20年前とは比較にならないほど増えています。医療機器だけは、器材室のような場所で、回収して消毒したり、中央に返却するということを考えてもいいかもしれません。しかしながら器材室は一般的には使用していない病棟で保管されるべき器材を置く場所になっています。患者病室からでてきた使用済みのものを分散せずに持ち込むことができ、廃棄することも、清潔にすることも、保管することもまとめてできるので、実際に使ってみて、大きな作業室・汚物処理室にしたことは大正解だったと思います。
狭くて臭い部屋ではなく、広くて清潔な部屋になったことから、医師も処置後の廃棄物を捨てにきてくれます。設計される際に現場の看護師の意見を聞いていただくと良いと思いますが、広い汚物処理室で働いたことがないとイメージできないため、限られた面積のなかで狭小でも妥協してしまうという結果が残念に思います。

千葉大学 中山先生より

汚物処理室は、もちろん排泄物の処理を行う部屋ではありますが、同時に次に使う洗浄された尿・便器の保管をしたり、体温調整のためのアイスノンの保管庫があったりします。つまり汚染エリアと清潔エリアが混在していると思います。
また、汚物と言っても首より下から出てくるものと、上(主に口)から出るものがあり、取扱いは異なります。
いくつかの病院では、床にテープを貼り両エリアの意識付けなどをしている例がありますが、十分な広さ(20㎡以上)を確保するか、本来は清汚のエリアは空間的に分けて設けるべきと思います。

Q&A❷ 男女兼用トイレは、私も気になりました。先日お見舞いで病院に行ったときに外来者が病棟廊下にある共用部トイレを使用してよいか迷いました、スペースや費用の問題が無ければ、男女分けたかったでしょうか、それとも現状でよかったでしょうか。運営側、且つ利用者の立場でご意見を伺いたいです。

慶応義塾大学病院 高野先生より

難しいところかと思いますが、男女兼用で問題ないと考えています。ジェンダーについても医療機関で検討しなければならない時代になりました。
集団トイレですと女性用トイレに入りたい、入りたくないといった微妙な問題が生じます。この点に関しては幸いなことに分散型かつ兼用で良かったと思います。女性部屋の向かいにあるトイレは一時的に女性用とすることもできるので、病棟で柔軟に判断することもできます。汚染したり管理が不十分だと「兼用だからだ」という理由にされそうですが、だからこそ清潔に管理せねばならないと考えています。
また、医療福祉施設では、可能ならば面会者、利用者・患者、職員の三者でトイレは使い分けすべきです。ノロウイルスなど消化器系の感染症がトイレを介して面会者から持ち込まれる可能性もあります。

Q&A❸ 便器のフタが無いのは感染対策的にはまずいですか?
水はねしにくいように水は流れます。体が不自由な患者が多くフタを開けるのが難しいです。

慶応義塾大学病院 高野先生より

旧式の便器だと水はねすることが多かったようですが、最近の便器は比較的水はねしません。はねたら拭き取れば良いのです。
また蓋があると排泄介助が難しい患者がいます。看護師が患者の介助中に蓋の開閉までするためには二人で介助することも考えなければならないことがあります。
当院はすべてのトイレの蓋をつけませんでした。蓋が閉まっていると流し忘れも気づきにくいですし、清掃する場所も増えます。新型コロナウイルス感染症の初期の頃は蓋がないことが問題と一部の情報がありましたが、職員や清掃担当者は防護具をつけていますので、問題がないという見解にしました。
実際にトイレが感染を仲介するのは糞口感染するような感染症で、排泄後の手洗いが不足することが一番の問題になります。

千葉大学 中山先生より

私の知る限りでは、フタの開閉とエアロゾル感染等とにはエビデンスはないと聞いています。
ご指摘のように、今日の便器は以前からもサイホン式、最近はサイホンゼット式と言って強制的に排水口へ流れるような仕組みになっているので、水撥ねの懸念は少ないのではないでしょうか。つまりフタが開いているからと言ってエアロゾル感染が発生することはまずないと思います。
トイレにおける感染があるとすれば、手指衛生に起因する接触感染が最大の懸案です。むしろフタの開閉の際に起こる接触感染の方がよほど危険なことではないかと思います。

Q&A❹ 利用者にもトイレをきれいに使ってもらうという事でしたがどれくらい実行できていますか。高齢者や認知障害がある施設での利用者への協力要請は難しいと思うのですが・・・

慶応義塾大学病院 高野先生より

実施率はわかりませんが、比較的協力していただいているとは思います。
排泄に余裕がなくなり患者が実施できないことも多いと思います。看護師など施設側の人間が患者や利用者に説明し、「実施できない時はこちらで対応します」という姿勢を示すことで「トイレは使用したらきれいに使うもの」と誰もが思う風土が大切なのだろうと思います。
介助が必要な患者さんなら、介助しにいって、車いすに座っている患者さんが手洗いしている間に看護師が清拭消毒するとかですね。看護師も患者が協力してくれるのだから、「清掃担当者の仕事です」と決めつけることなく実施してくれます。

Q&A❺ 出入口はどのような構造がよいのでしょうか。

慶応義塾大学病院 高野先生より

蝶番の開き戸という名称になるでしょうか。防火扉以外は医療施設では不向きだと思います。
一般的な建物に比べて移動が困難な方が多いので、車いす、歩行器、杖などで移動したり、視界が悪い方もおりぶつかることも多いと思います。
また、点滴架台を押したり車いすなどに乗っていれば開けることができない可能性があります。
上部レールで床面にレールなく、一般的な90cm位の幅だと車いすや点滴架台だけなら入りますが、介助が必要な場合はもう少し広くないと危険だと思います。ガラスは危険ですし、重量もあると思うので避けたほうが良いかと思います。自然に閉まることが問題になることもあります。

千葉大学 中山先生より

トイレドアのことだと思います。ドアの性能条件だけ言えば、車いすや点滴架台を引きずりながらでも出入りできるだけの幅があり、車いすや杖・歩行器利用者のためには引戸であり、臭気の流出と音漏れを防ぐためにある程度の密閉性があり(ガラリやアンダーカットは設けない)、確実に施錠できるが万一の時には外から容易に開放できる構造、が欲しいと思います。
しかし、これらの条件をすべて満たすトイレドアは、残念ながらありません。引戸には密閉性能を確保できるものは少なく、開き戸は車いす利用では不自由さが残ります。また自動ドアは便利でしょうが、すべてのトイレのドアを自動にすることも難しそうです。
結局、個々のトイレの利用者を想定し、そこに必要な性能を満たせる引戸あるいは開き戸を選択する、という方法かと思います。

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